ZOKZOK EXPERIMENT REPORT

2026.3.31 音と味覚の実験レポート

完了 EXPERIMENT 開催日:2026年3月31日 レポート作成日:2026年4月18日 会場:実験施設 ZOKZOK 1F サロン

音で変化するのは、味覚だけではありませんでした。

2026年3月31日、実験施設 ZOKZOK 1F 縄文サロンにて、「音と味覚」をテーマにした小さな実験を行いました。

同じ飲み物や食べ物でも、包まれる音が変わることで、味、香り、喉越し、歯ごたえ、身体感覚まで変化して感じられる。その不思議を、参加者それぞれの身体で観測する夜となりました。

2026.3.31 音と味覚の実験レポート

実験概要

参加人数
11

実験後の結論サマリー

音で変化するのは、味覚だけではありませんでした。

今回の実験では、同じ飲み物や食べ物であっても、包まれる音が変わることで、味の印象だけでなく、喉越し、歯ごたえ、香り、余韻、身体の緊張やゆるみまで変化して感じられることが観測されました。

特に印象的だったのは、音が「おいしさ」を演出する背景ではなく、人間の認知や身体感覚そのものにリアルタイムで作用しているように感じられたことです。

空山雅一氏のナビゲーションによって、参加者は自分の感覚の変化を観察し、言葉にし、他者の感じ方と重ねながら、音と味覚、そして身体のあいだにある不思議な関係を体験しました。

この実験は、飲食体験だけでなく、商品開発、空間設計、教育、福祉、地域イベントなどへ展開できる可能性を持つ、小さな認知の実験となりました。

今回の問い

音は、味覚だけでなく、身体感覚や認知そのものにも影響を与えるのか?
同じ飲み物や食べ物を口にしたとき、音の違いによって、喉越し、歯ごたえ、香り、気分、場の感じ方はどのように変わるのか?

実験の内容

今回の実験では、音空間コンサルタントとして多様な場に音をインストールしてきた、Sounds Of Life Japan 代表・空山雅一氏をナビゲーターに迎えました。

PROJECTページでも示していた通り、この会は完成された答えを聞く講義ではなく、参加者一人ひとりが、実際に味わい、聴き、感じながら探っていく小さな実験として実施しました。

同じドリンクや軽食を口にしながら、音の変化によって感覚がどう揺れるのかを観測する。自分の中で起きた違いを言葉にしてみる。誰かの気づきに触れて、自分の感覚が少し書き換わる。

今回の音響には、SUTEKIYANKA lab(渡辺元佳、空山雅一、飯田智広)による音響作品 mono-wide を使用しました。mono-wide は、臨場感や再現性を競う一般的な音響機器ではなく、人が自然な心地よさを感じる音の風景を生み出すために設計されたアートピースです。

空山氏のナビゲーションのもと、参加者は音、味、香り、身体感覚の変化をリアルタイムに観測し、それぞれの感覚を言葉にして共有しました。

観測されたこと

参加者
参加者からは、音が変わることで味の印象だけでなく、喉越しや歯ごたえまで変化して感じられるという反応が見られた。
参加者
同じ飲み物や食べ物であっても、音の状態によって甘さ、酸味、香り、余韻の感じ方が変わるという声があった。
空間
音が変わることで、1F縄文サロンの空間そのものの感じ方も変化した。飲食の体験だけでなく、場の居心地や会話の流れにも影響が見られた。
想定外
当初のテーマは「音と味覚」だったが、実際には味覚に限らず、身体感覚、認知、気分、場の受け取り方まで含む実験になった。
運営
少人数・予約制の形式により、参加者が自分の感覚を言葉にしやすく、他者の感じ方にも触れやすい環境が生まれた。

分かったこと

音は味覚だけでなく身体感覚にも作用する

今回の実験では、音によって味の印象だけでなく、喉越し、歯ごたえ、身体の緊張やゆるみまで変化して感じられることが観測された。

感覚は個人の中だけで完結しない

参加者が自分の感じた違いを言葉にし、他者の感覚を聞くことで、自分の感じ方そのものが少し変化していく場面があった。

音は場づくりの装飾ではなく、体験の構造になり得る

音は空間の雰囲気を整える背景ではなく、味わう、話す、考える、記憶するという体験全体を変化させる要素として機能していた。

企業開発・商品体験への応用可能性がある

空山氏は、音と味、音と香りなどの組み合わせによる感じ方の違いを活用し、お菓子メーカー、飲料メーカー、オフィス家具メーカーなどとのコラボレーション活動を行っている。今回の実験も、商品開発や体験設計へ接続できる可能性を示していた。

今回見えた課題

記録 要改善
参加者の感覚変化をその場でどのように記録するかについては、今後さらに工夫が必要。発言メモだけでなく、味・音・身体感覚を簡単に記録できるシートがあると、実験結果の比較がしやすくなる。
コミュニケーション 要改善
「音と味覚」というテーマは伝わりやすい一方で、実際には身体感覚や認知の変化まで含む内容だった。次回以降は、味覚だけに限定しない説明も事前に加えるとよい。
運営 軽微
少人数で深く観測する形式は有効だったが、今後企業や商品開発と接続する場合は、記録方法、比較条件、フィードバックの集約方法をもう少し設計する必要がある。

次に変えること

運営
次回は、音の違いによる味・香り・喉越し・歯ごたえ・身体感覚の変化を記録できる簡易観測シートを用意する。
コミュニケーション
告知文では「音と味覚」だけでなく、「音と身体感覚」「音と認知の変化」という視点も加える。
パートナー
飲料、菓子、食品、空間設計、福祉、教育分野の企業・団体と、共同実験として展開できる形を検討する。
次のPROJECT
次回は、飲み物・食べ物の種類を絞り、音の条件を変えながら、参加者の反応をより比較しやすい形式で実施する。

今後の展開

今回の実験は、「音によって味は変わるのか」という問いから始まりました。

しかし実際に見えてきたのは、味覚だけではなく、喉越し、歯ごたえ、身体感覚、気分、場の受け取り方までが、音によって揺れ動くということでした。

この結果は、飲食の体験設計だけでなく、商品開発、店舗空間、教育、福祉、オフィス環境、地域イベントなど、さまざまな領域へ展開できる可能性があります。

ZOKZOKでは今後も、完成された答えを提示するのではなく、人間の感覚や認知の不思議を、参加者とともに観測し、記録し、次の実験へつなげていきます。

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